玉石混交の 雇用統計 / アメリカ

◇ 強弱の要素がぴたり伯仲 = アメリカ労働省は先週末、9月の雇用統計を発表した。仮にその内容がアメリカ経済の強さを裏付けるものだったら、FRBの利上げが12月に実施される公算はぐっと大きくなる。逆に弱さを示せば、年内の利上げは消えると考えられていた。だから関係者は目を皿のようにして発表文を読んだが、どうも評価はまとまらない。というのも発表文の内容には、強弱の要素が全く伯仲して並んでいたからである。

最も重視されるのは、農業を除いた雇用者の増加数。9月は前月比で15万6000人の増加だった。8月の増加数は16万7000人だったから、伸びはやや鈍化している。しかし7-9月の平均では19万2000人の増加。順調な雇用増とみなされる20万人にかなり近い。その一方で、失業率は前月より0.1ポイント上昇して5.0%に悪化した。これらの数字からは、強とも弱とも判定できない。

業種別にみると、重要な製造業の雇用者数が2か月連続で減った。失業者数も前月より9万人増えた。これらは明らかに悪い要素である。しかしFRBが重視する27週間以上の長期失業者は3万2000人減った。さらに全雇用者の平均時給は25ドル79セントで、前年比2.6%増加するなど、いい要素も出ている。

こうした結果を見て、株式市場は迷ったあげくダウ平均は小幅に下げている。しかし為替市場ではドルが売られ、円相場は急反発した。ここからみる限り、市場の読みは「年内の利上げなし」にやや傾いているようにも見受けられる。それにしても9月の雇用統計には、強弱の要素がよく並んだものだ。いちばん神経を使っているのは、イエレンFRB議長ではあるが。

      ≪11日の日経平均 = 上げ +164.67円≫

      ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ


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