戦略が見えない 東証・大証の統合

◇ 規模のメリットには頼れない = 東京証券取引所と大阪証券取引所は先週、正式に経営統合すると発表した。13年1月1日をメドに持ち株会社「日本取引所グループ」を設立、そのあと両取引所を合併する方針。東証と大証の合併は20年も前からその必要性が叫ばれてきたが、競争意識が邪魔をして進展しなかった。それがここへきて合意に達したのは、両取引所の首脳がこのままでは国際競争に勝てないと判断したからである。

世界の取引所をことし9月末時点の株式時価総額でみると、1位はニューヨーク証取ユーロネクストで10兆5000億ドル。2位はナスダック。東証は3位で3兆5000億ドルだが、NYSEの3分の1しかない。しかも最近は時価総額が減少傾向をたどっている。その半面、上海や香港の追い上げは急速だ。

いま東証は現物株売買の9割、大証は先物取り引きの5割を扱っている。この両者が合併すると、お互いの欠点が補える。時価総額も3兆7000億ドルになって、世界第2位に躍進。これによって市場の利便性、効率性を高めることができると、両取引所の首脳は胸を張る。

だが合併のメリットは大きいのだろうか。たとえば銀行なら重複する店舗を閉鎖できるが、取引所はそうはいかない。システムの一本化で70億円の節約ができるというが、この程度では合併の費用で消えてしまう。一般の投資家にとっては、利便性も高まらない。結局はアジア諸国から資金を呼び込めるかどうかが勝負だが、そうした面での戦略は全く見えてこない。世界第2位だけを目指した合併のように思えてならない。


    ≪28日の日経平均 = 上げ +127.48円≫

    ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ

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