霧消した 金融機関の報酬規制

米ピッツバーグで先週末に開かれたG20サミット。この会議で最重要議題となるはずだった金融機関の報酬に対する規制の問題は、結局のところ骨抜きにされて終った。サブプライム証券など悪質な商品を売り出して、世界を金融不安・同時不況に陥れた張本人の巨大金融機関。それが税金の投入で経営が立ち直ると、経営者も上級職員も巨額の報酬を受け取っている。

たとえばシティ・グループ。08年の最終赤字は277億ドル、公的資金を450億ドル注入してもらって立ち直ったが、賞与の支給総額は53億ドル。メリルリンチは276億ドルの赤字、100億ドルの支援を受けたが、賞与総額は36億ドルといったぐあい。サミットでは独仏の首脳が「国際的に上限を設定すべきだ」と主張したが、アメリカの反対で立ち往生。声明では「健全な報酬慣行の即時実施を要請する」ことで折り合ってしまった。

ウォール街はもともと「優秀な人材が流出する」という理由で大反対。オバマ大統領も、この反対論を支持したようだ。もう1つ、成功すれば大金持ちになれるというアメリカン・ドリームを否定したくなかったという、アメリカ人独自の国民感情も影響したのだろう。とすれば、今回の報酬規制は経営者に限るべきだったような気もする。

そのアメリカでは、経営者の平均所得が一般労働者の300倍に達している。これについては国民の間でも、格差の拡大だという批判が高まっている。もう1つ、経営者は高給を得るために短期的な利益の追求に走りがちだ。このシステムが景気の変動を増幅しているとの指摘も強い。G20は終ったが、報酬規制の問題は今後も折に触れて表面化するだろう。

    ≪29日の日経平均 = 上げ +90.68円≫

    ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ

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